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Moon of Ice より  さらばPopy王国

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口語定型詩(無季・有季俳句、短歌、旋頭歌、片歌、仏足石歌)

3月の終わりに向かって

桜が連れてきたような、温かさにほかの草木も急に元気づいてきたようだ。

ひとり遊び 言いたりなくて書くと云う行為を指に置き換えている
どうしても必要なことでないから自己満足と罵られても
自己欺瞞だけ避けたくて毎日を選び続ける生きる日課に
満開の桜に雨の来る兆し散らされてゆく泣くようにして
朝の内から 右腰の背が痛みよる理由不明もすい臓だろうか
慢性の膵炎の診断あれど自覚症状これまではない
もう窓を開けてもあまり室温と差のない外の気温のようだ
単純なこと避けながら単純に近づく詩形内在律の
紙のうえ定着しても剥がされるうたの字面と心の骨と
同じこと見聞しつつ経験は異なりて浮く時間の偏差


# by chigai_tyan | 2014-03-28 19:44

夜蛾一匹迷い込む

窓開けておれば入りくる小さな夜蛾よ 
 人間の住み処に何も食べる物ない
乾涸びて死ぬのがオチよ今から逃げよ 
 ふらふらと遊びなさんな窓を閉めるぞ
うまれ来て屋戸という場所持たないでいる 
 生活のすべてがそこに天の真下に
白アリの飛んでくるまでまだ間があれば 
 雨の夜窓を開けても心配はない
空耳の虫らがどこか去ってくれれば
 そう願う明日朝から薬が変わる
感覚の変調なくし無音は無音
 幻聴も幻臭もみな脳内異常
睡眠も六時間ほど取ればよいとか
 今夜から薬量減らし様子観察


# by chigai_tyan | 2014-03-26 21:06 | 旋頭歌

阿弖流為の血

阿弖流為の血は千年を生きたるや
みづだ端 照り返されて血を思う
田の土と水の臭いの入り混じる
汗と雨 快さげな田植え感
一服の煙草が欲しい雨ん中
縄文と弥生重ねて存在す
農法と土木の技術秘匿せず
環境と文化の違い認めよう
残された湿地帯この新天地
従来の縄文族の埒の外
灌漑の技術は今も強い武器
焼畑の山に隠し田持つ魅力
水稲の収益力の差 歴然
ゆるやかに暮らして村の四季まみれ
パッと見に墨絵にもまた油彩にも
色つけた土器は漏れても取っておく
取っ手付き土器の取っ手がよく取れる
目論みのどおりにできた験し ない
気晴らしの工房だから好きなこと



# by chigai_tyan | 2014-03-25 21:47 | 無季俳句
物の語に意味を見つける春の昼
空虚さを埋め尽くそうと春日傘
欺いて築く虚構に土筆かな
袖に立ち墓場に非ずはだれ雪
意味付けの作者を隠す春の雨
摘み草や縄張り持てる眼差しに
春の風定位置猫の睨みけり
踏青や犬の臭いに犬吠える
花の宴気の早いことめじろかな
猫の目の蛇に見紛う春の闇
部屋を出てしばらく春野遊びかな

# by chigai_tyan | 2014-03-24 14:01 | 有季俳句

関西での思い出

よく目立つ黄色い車仕事だよなにわナンバー越境してる
裏通り一方通行京の道慣れたわここで観光しない
何とか寺てらも神社も仕事なら一度や二度はあるかもしれん
車での移動であれば点と点 京の呑み屋の情緒も知らぬ
飲むことをやめた今では珈琲で我慢しようかあの喫茶店
ボサノヴァとジャズの流れるあの店は昔どおりにあるのだろうか
おもしろいおもいで主の砂場さん千枚漬けを平らげ下す
仕事着で仕事の車観光地 場の風景に馴染めないもの
いいのかと確かめもせず紀三井寺いしだんふたり桜と海と
たからづか夕景色見て朝の沙匂う松風春わかの浦
振り返りゃこどもぢゃないよ云いたげにハンドル替わる高野のルート

# by chigai_tyan | 2014-03-22 14:11

口語定型詩(無季・有季俳句、短歌、旋頭歌、片歌、仏足石歌)


by 兵站(へいたん)戦線